某月某日
「千里眼 ミッドタウンタワーの迷宮」は、東京ミッドタウンのグランドオープンの一週間前(3月23日)に刊行されます。すなわち、小説の執筆中はまだミッドタウンタワーは建設中でして、この日記もオープン前に書いてます。ただし、現地にはこうして毎日のように来てます。
この「千里眼 ミッドタウンタワーの迷宮」では、タワーが物語の舞台となるのではなくて、重要なトリックのキーポイントとして機能します。この立地ならば、実際にこういう事件が起こりうるかもしれませんね。
この表紙で岬美由紀が手にしているのはカジノゲーム「愛新覚羅」のカード。ギャンブルの心理戦は、このシリーズでこそ描いてみたかったテーマなんです。きっとお楽しみいただけると思います。
東京ミッドタウンは、旧防衛庁跡地の広大な敷地を再開発するプロジェクトです。四百メートルほど離れた場所にある六本木ヒルズと似た計画ですが、顕著な違いは、敷地の広さを生かした庭園や森が存在することです。ニューヨークのセントラルパークのように、くつろげる空間になるといいですね。小説のなかでは、美由紀がガヤルドを乗りいれてシッチャカメッチャカになるわけですけど…。
オープンは2007年3月30日で、タワー内部はまだ一般に非公開です。しかし、企業の入居は着々と進行しています。これはタワーのオフィスフロアの某社ですが、ご覧のとおりシンプルです。ロビーのエントランスにつづく廊下は、もっとゴージャスさと渋さを同時に押し出してます。自動改札のようなセキュリティゲートがあるのも六本木ヒルズ森タワーに似てます。各フロアにも、個別のセキュリティがあります。
ミッドタウンタワーはオフィスが中心ですが、その周囲のビルの低層階にはテナントがずらりと並んでいます。美由紀のセレブ?な友人、高遠由愛香もガーデンテラスにレストランを出店します。由愛香は美由紀にそれを自慢したがっているようですが…。
こうしたテナントもまだ一般客は立ち入り禁止ですが、ご覧のとおり内装は完成して、各店舗の準備が進められています。
六本木ヒルズ森タワーに比べると、ミッドタウンタワーの外観はシンプルに見えるかもしれません。しかし実際に訪ねてみると、東京ミッドタウンという施設全体の醸しだす特異な雰囲気はヒルズ以上と言えます。これは、東京ミッドタウン内の新国立美術館の中ですが、ここでは曲線が多用されていて、直線主体のタワーと好対照をなしています。
某月某日
ところで、「千里眼 ミッドタウンタワーの迷宮」で岬美由紀が飛んだ成層圏ですが…。
 作中で伊吹が説明している通り、ジェコフスキー空軍基地で受け付けてます。このように、ミグのコクピットから丸い地球を撮影できますよ。僕はもう二度と御免ですが…。
某月某日
「千里眼ファントム・クォーター」の舞台になってる、1800年代のデンマーク風の街並みと丘陵地帯というのは、想像ではなくて実際に存在する場所にロケハンして書いています。新シリーズ中では最も現実離れした舞台なので、できるだけリアリティを演出したかったからです。以下、そのモデルになった某所(日本国内ですよ)をご紹介しましょう。
美由紀が最初に目を覚まして、「ここはどこ?」状態になった噴水の広場です。フランス人青年と出会いましたね(文庫P97)。向こうに見える建物は「赤い電話」を求めて入ったレストラン(P115)です。特徴的な風景だから、もう知っている人にはどこなのか、判っちゃったかもしれません。
風車と農家(文庫P105)です。実際の風車の地下には、あのような司令センターはありません。当然ですけどね。
ファントム・クォーターから渓谷の向こうへと架かる橋(文庫P107〜他)です。衛兵に守られていましたね。ここも、上記の噴水広場や風車と同じ場所にありますよ。
これは厳島咲子が潜んでいた屋敷として小説の中に登場しました。岬美由紀はここで香苗と再会します。
現地に行くと他にも小説の元になった場所がたくさん見つかりますよ。さてどこでしょう。小説の中にもヒントはありますけどね…。
某月某日
またクルマを替えたの?と言われそうですが、ハイ。アストン・マーティンのDB9です。現行車のなかでは、フルATの唯一のアストンになります。
同じV12エンジン、同じトルクのヴァンキッシュからこっちに乗り換えたのは、ずばり乗りやすいから…。それでも車高が低くて、うっかり段差に入ろうものなら…。いいクルマなんだけど、気を使いますね。