Novel Of Keisuke Matsuoka

千里眼 堕天使のメモリー
角川文庫 ;ISBN 9784043836086C0193 ; (2007/07)580円(税込)
 時は満ちた――。完璧な美をまとい、あの女が帰ってきた!
『千里眼の水晶体』で死線を超えて蘇ったあの女が東京の街を駆け抜ける! メフィスト・コンサルティングの仕掛ける罠を前に岬美由紀は人間の愛と尊厳を守り抜けるか?! ついに累計458万部突破、新シリーズ最新作


 西之原夕子の帰還、メフィスト・コンサルティングとジェニファー・レインの再来という本作は、旧シリーズ「ミドリの猿」「運命の暗示」「洗脳試験」のあたりに通じる、心理の闇を探求するサスペンスと現実離れしたスケール、アクションに笑いの要素を付加した、シリーズの王道ともいえる作風である。とりわけ「涼宮ハルヒの憂鬱」や「ケロロ軍曹」などのパロディの要素が濃いところに、旧シリーズに顕著に見られたエンタメ性の復興が見られる。千里眼シリーズはこのように、作品ごとに作風ががらりと変わることも魅力のひとつで、本作も終盤、岬美由紀の失われた記憶にアプローチするあたりから、次回作のハードな展開を予測させる。本作で美由紀は初めてジェニファーの名と正体を知る(「トランス・オブ・ウォー」のラストでは、姿を見かけただけで誰なのかは認識していない)。
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