Novel Of Keisuke Matsuoka

千里眼 メフィストの逆襲
小学館 ; ISBN: 4094032576 ; (2002/06) 619円 
シーズン・オフの日本海海岸。父親の目の前で、十三歳のひとりの少女が忽然と姿を消した。海上には、時を同じくして朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の不審船が出没していた。それから四年。北朝鮮人民思想省工作員と思われる謎の女が、千里眼・岬美由紀の前に現れた。同時期、岬は奇妙な銃器事件に遭遇する。その陰には、かつて岬を苦しめた"メフィスト・コンサルティング・グループ"の密使の姿があった。北朝鮮とメフィスト―。二大マインドコントロール集団が岬を、そして日本を襲う。 

ハードカバー版「千里眼の瞳」が徳間書店から刊行された半年後に小学館文庫から刊行。松岡作品におけるハードカバーと文庫の性質の違いがよく表われた作風である。長くなったので2冊に分冊され、上巻が本作となった。親本ではリアリティを追求した結果、岬美由紀の荒唐無稽な活躍が描かれていなかったが、文庫版の本作では車上荒らしと対決したり、自家用ジエットを飛ばしたり、ビリヤードの腕を披露するなど本来のイメージに戻っている。また、メフィスト・コンサルティングのダビデが登場することにより、現実性を薄めて文庫らしい娯楽度の高い読み物に仕上げている。